
美方ファームでは牛にできる限りストレスを与えないように
人里はなれた小高い山の上に牛舎と牧場があります。
江戸時代末期、西日本の各地では格別優れた牛の血統
蔓牛(つるうし)作りがさかんになり、但馬では有名な蔓牛が作られました。
最も優秀な蔓牛はあつた蔓で別名「周助蔓」と呼ばれています。
兵庫県美方郡の農家、前田周助(1798?1872)が創出した「周助蔓」を祖先にする系統です。
幼い頃から牛を見分ける目があり、苦労して優れた雌牛を集めて交配し
親戚や近隣の人の助けをへて優れた血統をつくることに成功したそうです。
その品種を維持するためには、他の地域の牛と血が混じらないよう管理することが大変らしく
現在はあつた蔓、ふき蔓、よし蔓の3系統があります。
但馬牛の畜産農家は母牛を飼育し、出産させて子牛市場で子牛を売る繁殖牧場農家と
買い取ってきた子牛を育てて肉用として売る
肥育牧場農家と繁殖、肥育を両立している牧場農家に分かれています。
神戸、松阪、近江では、そのほとんどが肥育農家です。
その子牛たちの仕込み先として特別なブランドとなっているのが
「但馬地方産」中でも美方郡の但馬牛というわけです。
かたくなに伝統と血統を守り抜いた極上牛の但馬牛は、優れた伝統と血統を持つ品種で
伝統を引き継ぎ、他府県の牛との交配を避けながら改良を重ねた牛が、美方但馬牛という事です。
選び抜かれた素牛を細心の心配りと飼育技術で育て上げ作り出された美方但馬牛は
筋繊維が細かく、こまやかな「サシ」が入り熱を加えると「サシ」が溶け出し
その周りの筋肉を解きほぐし柔らかで抜群の舌触りを生み出します。
このとき筋肉の持つ味わいに、脂肪が絶妙に溶け合い
「美方但馬牛」特有のまろやかさが醸しだされます。
つまり、但馬牛の中でも特に上質なものを「神戸ビーフ」「神戸肉」と呼んでいます。
また、「神戸ビーフ」の基準を満たしている牛肉は、「神戸ビーフ」と「但馬牛(たじまぎゅう)」のいずれかの銘柄名を任意に選んで出荷することができます。